特定非営利活動法人 希望塾


 いのちの尊さを実感し 一人一人が元気になれる社会のために









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特定非営利活動法人「希望塾」は、教育者、社会活動家、宗教家などをゲストに招き、孤独と不安を抱いて現代を生きるすべての人たちに対して、物の見方や考え方を変えればきっと生きていくための希望を見つけることができ生活の質をより高く保てるのだという考えのもとに、講演会やセミナー及び各種イベントの開催を定期的に行っています。



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過去10年間、日本の年間自殺者の数は公の発表だけでも毎年3万人を越え、実際にはその数字を遥かに上回ると言われている。その背景として指摘されるのは、長引く経済の低迷だ。

けれども、問題はもっと根本的なところにあるのではないか、と考える人は少なくない。高度経済成長からバブル経済の勃興とその崩壊。そして、日本型の終身雇用制度が崩れる中で、人間関係や価値観が大きく転換したことも、その背景にあるのかも知れない。

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兵庫県神戸市の集会所。

満員の観客の前に姿を現したのは、袈裟に身を包んだ僧侶である。といってもこれは宗教団体の集まりではない。神戸の会社経営者がスポンサーを勤める、「希望塾」という語らいの場である。

壇上の僧侶は釈正輪師。波乱に満ちた自らの半生を振り返り、命の大切さ、人と人とのつながりの大切さを熱く語る。会場を埋め尽くす参加者の中には涙ぐむ人の姿も。

この集まりは、ある企業がフィランソロピー(社会貢献活動)の一環として、神戸の非営利団体「希望塾」に講演を依頼して実現したものだ。

 「今、日本は自殺大国と言ってもおかしくないと思うのです」

希望塾の発起人の一人はこう語る。

 「そんな日本の姿に対して、強い問題意識をもって積極的に発言しておられた釈正輪先生との出会いから、この希望塾は生まれました。
 自殺が蔓延する世の中というのは、どこかがおかしい。どこに問題があるのか、何か我々が忘れてしまっている大切なことがあるのではないか、と思いまして、釈先生のメッセージを聞いた人が、ひとりでも多く元気になってもらいたいという思いから、神戸の会社経営者が中心となって塾を発足させました。
 基本的には、全国各地の企業や団体からの依頼を受けて、塾側が講演をコーディネートする形で展開しています。これまでに首都圏と関西で十数回、講演会を開催しました」


希望塾で講師を務める釈正輪師は中部の霊峰高賀山に於いて「千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)」を達成し、大阿闍梨(だいあじゃり)の称号を与えられた僧侶。

「仏教とは生きている人間を救う教えである」と、形骸化した葬式仏教を否定し、現代を取り巻くさまざまな社会問題にも積極的にコミットしている。

2009年には自殺の問題に一石を投じる著書『死ぬのに適した日などない』をソフトバンク・クリエイティヴより出版した。

 「私たちの社会では、人々はほんとうに表面的な付き合いしかしていません。
個人主義の時代になって、他人の内面にまで踏み込むことは余計なおせっかいだと考えられるようになりました。
けれども、少し前まではそうではなかったわけです。
隣近所の付き合いというのが濃厚でしたし、会社でも上司と部下が、血の繋がった人たちのようにお互い心を開いてぶつかり合っていました。

そういう時代が去ってしまった今、多くの人が誰にも相談できない環境の中で一人で問題を抱え込んでしまっており、それが自殺という行動につながっていくのではないでしょうか。

 希望塾の活動は、企業や団体の集会にでかけていって、相談しなさい、他人に甘えなさいという話をするわけです。
それこそおせっかいですけれど、今必要なのは、そういったちょっとしたおせっかいなのかも知れません」
希望塾特別講師 大阿闍梨釈正輪師
と、先ほどの発起人は語る。

一人の行動する僧侶と、同じ問題意識を持った経営者の出会い。「希望塾」はそのような形で活動を開始したが、今後さらに幅広い活動を行い、教育者や社会活動家など各界の識者を交えて自殺防止と社会の活性化に向けて行動を展開する予定である。

(『小さな親切を実践する街角の非営利団体』より)

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